1922年（大正11年）院展洋画部の小林放菴、森田恒友等と草土社の岸田劉生、中川一政等に梅原龍三郎を加えたメンバーの合同によって誕生した春陽会は、現在、絵画部・版画部の会員・会友を合わせて600名を超える団体となり、この度第82回展を開催することになりました。

日本の風土と伝統に根ざした個性尊重の「各人主義」に基づく創立以来の理念は確実に受け継がれながら、長い歴史の中で岡鹿之助、中谷泰等とそれに続く世代毎に、それぞれの節目、節目で新しい風を導入してきました。版画においても長谷川潔、駒井哲郎、清宮質文等が春陽会版画の潮流をつくって来たことも言うまでもありません。21世紀を迎えて、今また春陽会は新しい時代の要求に応えられる美術団体でありたいと切に願っています。

そのために春陽会は若く新しい感性のために、その可能性を存分に発揮出来る広い舞台を用意して、共に新しい美術の時代を担う仲間を待っています。