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レポート:おひさま文庫 10周年記念講演会 |
赤毛のアンを彷彿とさせるファイアーヘアーの赤木かん子氏登場。 静かなる導入からお茶目な中盤そしてマニアックな後半まで、2 時間30分に及ぶお話を堪能しました。 以下、私なりにまとめさせて頂きました。 読み聞かせは6つの領域に区分できる。 自分が今どの領域にいて、これからどの領域をめざすのかはっきりさせることが重要。 それによってトレーニングの方法も違ってくる。 プロ:図書館司書など仕事として読み聞かせをしている 下手なプロ、上手なプロ セミプロ:学校や幼稚園など不特定多数の子どもに聞かせる 下手なセミプロ、上手なセミプロ アマチュア:自分の子どもや身内などごく限られた人のみに聞かせる 下手なアマチュア、上手なアマチュア アマチュアは、 とにかく子どもが持ってきた本を断らないでひたすら読んであげる。家庭の読み聞かせはマニアックでいい。テクニックはいらない。気もちのいいエネルギーが子どもに降り注ぐように、幸福な時間をもてるようにと読む。繰り返しの時代(どうしてかはわからないけれど、「もう一回。」と何度でもこれ読んでと持ってくる。)には、何の本でもかまわない、読んでほしいという本を満足するまで何度でも読んでやる。満タンになることが大切。この時代にはまれる本があれば幸せ。 セミプロは、 声質など自分にむかない話は読まない。グループで読んでみて、その本を読むのに向いている担当者を決める。(これやってみましょ〜) 担当を決めるときには、 ●自分の声をみる ・声質、声質が本に合わないと違う話になってしまう。 ・ナレータータイプか?キャラクタータイプか? キャラクタータイプは「ねぎぼうずの朝太郎」「じごくのそうべい」「風来坊」「しゃっくりがいこつ」など向いている。 ●自分にあった本を選ぶ 自分がこの本が好きだからではなく、声質など、どの本が自分にあっているのかを見つける。 ●選択権はお客にかえそう どの本を読んでいいかわからないのだったら5〜6冊本を用意して、どれを読むか子どもたちに選んでもらう。 |
朝の読み聞かせは、 全員にあたる本、どっと笑って共有できる本を持って行く。 悲しい本や強くテーマのある本は持って行かない。 先生が授業をしやすいようにして、子どもを手渡せるような本を選ぶ。 子どもと同じ本を楽しみたいと思うのはやめて、これを読んでやったら子どもたちが喜ぶと言うことを考える。 形にはまって本質を外す人は子どもの前に立たれると困る。 相手に楽しんでもらおうという気持ちを持って、大切なのは「いい気だて」。 中学生のところへはプロが読みに行く。 歌舞伎、文楽など本物の口語伝承の芸術に触れるとよい。 かん子氏お薦め本 ロマンス3冊:「みにくいむすめ」、「ヘルガの持参金」、「バッファローの息子」 高学年用の3点セット:「ストライプ」、「ウエズレーの国」、「ぼくムシになっちゃった」 読み聞かせについての赤木かん子氏の本は市立図書館にあります。 読み聞かせの第一歩は歯磨きと筋トレから:筋肉が衰えると声は出ない。 踏み台昇降を一日一回、軽やかに右50左50:セミプロになろうとするなら理想は500だそうです。 (本当に歯は大切です!実感) などなどのお話を伺いました。 子どもたちの定番と言われる本も、かん子氏の選書からははずれたり。「え〜どうして?」と思いますが、お話を伺うとその理由が妙に納得できたりするわけです。大人の立場での選書ではなく子どもならではの感覚(かん子氏は子どもの皮膚感覚と表現されていました。)に沿った選書なのですね。 「子どもの前に立つ大人にとって大切なのは『いい気だて』」と言い切るかん子氏のことばに全てが凝縮されていた。とかってに納得している私です。 おひさま文庫のみなさま貴重な機会をありがとうございました。10歳のお誕生日おめでとうございます。 |
おひさま文庫 10周年記念講演会 ----- 2005年05月21日(土) |
おひさま文庫おはなし会(長峰小学校にて)
[おひさま文庫について]
1995年7月稲城市長峰に誕生した「おひさま文庫」は今年10周年を迎えます。その節目の年に、伊藤忠記念財団・子ども文庫助成事業の審査の結果、幸運にも蔵書充実のための費用援助をいただくという光栄に浴することができました。この助成金を有効に活用するために、この機会に、みんなで楽しく有意義な選書ができるようにと、このような講演会を企画しました。
ふだんの活動:毎週水曜日午後2:30〜4:30 長峰杜の二番街集会所にてどなたでも本を借りられます。 第2・第4水曜日の4:00〜 おはなし会をやっています。遊びに来てね! 又、第1・第3水曜日には、長峰小学校に出かけ、図書センターや教室でのおはなし会をしています。あわせてスタッフ募集中!できるときに、できることだけ!長峰近辺にお住まいの方、ご一緒にいかがですか? |
赤木かん子氏を迎えて『子どもと楽しむ本選び』
子どもに、あるいは子どもたちと、「こんどは、どんな本を読もう?」と迷うことはありませんか?特に高学年ともなると、好みも多様になってきて、手応えのある本選びはなかなかむずかしいですね。
三度のごはんより本が好き、「子どもの本の探偵」としても有名な赤木かん子さんをお迎えし、本選びを楽しくするヒントをたっぷりお話しいただきます。お誘い合わせの上、どうぞお気軽にご参加下さい! [日時] 2005年5月21日(土)AM10:00〜 [会場] 稲城消防署3階講堂 入場無料 [お問い合わせ先] TEL . 042 - 331 - 9984(浅井) [赤木かん子氏プロフィール] 児童文学評論家。図書館棚づくりプロデューサー。 長野県松本市生まれ、千葉育ち。法政大学英文学科卒業。1984年に、子どもの頃に読んでタイトルや作者名を忘れてしまった本を探し出す「本の探偵」として本の世界にデビュー。以来、子どもの本や文化の紹介、ミステリーの紹介・書評などで活躍している。 『この本読んだ? おぼえてる? 1・2』(フェリシモ出版) 『絵本・子どもの本総解説』(自由国民社) 『あなたのための小さな物語1〜16』(ポプラ社)など著書多数。 「かんこのミニミニ子どもの本案内」(リブリオ出版)より |
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